医療・介護・住まいの開発候補地について、災害リスク、周辺の医療・介護・生活施設、水害対策の設計の目安と国の支援制度を確認するページ。住所・地名を入れると全国どこでも表示。
国土地理院「重ねるハザードマップ」の洪水浸水想定・浸水継続時間・家屋倒壊等氾濫想定・土砂災害警戒区域を重ねて表示。半径は50mから日本全体(1,500km)まで、ボタンかバーで設定できる。
青く塗った所は、周り約0.5〜1kmの中でいちばん低い地点に近い高さの土地。短時間の強い雨で雨水が流れ込み、道路冠水や床下・床上浸水が起きやすい地形の目安。青が濃いほど低い。
低地とみなす高さ:いちばん低い所から 2m 以内(数字を上げるほど、少し高い土地まで含めて広く塗る)
表示されるのは、地図の横幅がおおむね — 以下になるまで拡大したとき(今の横幅:—)。
出典:国土地理院「重ねるハザードマップ」「地理院地図」「標高タイル」「地名検索API」「自然災害伝承碑」、OpenStreetMap。表示にはインターネット接続が必要。
上で決めた地点を中心に表示(地点が無いときは、この地図の中心のまわりを読み込む)。病院・診療所・薬局・スーパー・学校・高齢者施設はOpenStreetMap、介護・看護事業所は厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータ(CSV)を読み込んで重ねる。CSVは厚労省のサイトから都道府県・サービス別に取得できる。
| 区分 | 2km以内 | 6km以内 | 10km以内 | 15km以内 |
|---|---|---|---|---|
| データを読み込むと件数を集計 | ||||
出典:OpenStreetMap contributors(ODbL)、厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ。OpenStreetMapは有志の登録データのため、抜けや閉院の反映遅れがある。
豪雨では、地上に置いた電気設備や発電機が水に浸かって使えなくなる事例が出ている。医療・介護施設は、浸水を前提に設備の置き場所を決めておく。金額は設計前の概算で、規模・構造・地域で変わる。
| 対策 | 内容 | 概算費用 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 1階床高の引上げ | 基礎の立上げで地盤面+0.5〜1.0m。玄関・車寄せはスロープで接続。 | 800〜1,500万円/棟 | 床上浸水の回避。想定浸水深0.5m級なら居室を守れる |
| 非常用発電機を2階・屋上へ | 地上設置を避け、2階または屋上に設置。燃料タンク(72時間分)も同じ階。床荷重・防振・排気・燃料配管・搬入と点検の動線を設計に入れる。 | 1,500〜2,500万円/棟(上階設置の割増 2〜4割) | 浸水で発電機が止まる事態を避ける |
| 受変電・サーバー・厨房冷蔵を2階へ | キュービクル、分電盤、通信機器、冷蔵・冷凍庫を2階以上に。引込みは高所から。 | 600〜1,200万円/棟 | 停電復旧後すぐ使える。食材・薬剤の保全 |
| 蓄電池と太陽光の連系 | 屋根の太陽光に産業用蓄電池100kWh級を接続。停電時に空調・給水ポンプ・冷蔵へ給電する回路を分ける。 | 蓄電池 2,000〜3,000万円/棟、回路分け 200〜400万円/棟 | 発電機の燃料が尽きる前に日中の電力を確保 |
| 止水板・防水扉 | 出入口・搬入口・EV前に設置。常時は外して使える形式。 | 300〜800万円/棟 | 0.3〜0.5m級の浸水と雨水の逆流を止める |
| 排水ピット・逆流防止弁 | 水中ポンプ2台と逆流防止弁。非常用電源の回路に接続。 | 300〜600万円/棟 | 内水氾濫時の建物内への逆流を防ぐ |
| 雨水の貯留・浸透 | 敷地内の貯留槽・浸透施設、外構の勾配と排水経路の二系統化。 | 規模により 1,000〜6,000万円 | 敷地内と周辺道路の冠水を軽減。流出抑制の協議にも使う |
| 給水の確保 | 受水槽の増設(3日分)、非常用給水栓、災害用井戸+簡易浄水。 | 受水槽 200〜500万円/棟、井戸 300〜800万円 | 断水時の飲料・生活用水 |
| 備蓄・通信・車両 | 3日分以上の備蓄(1階が浸水想定なら2階)、衛星通信と無線機、外部給電できる送迎車。 | 合計 900〜2,100万円程度 | 孤立時も安否確認・応援要請・給電ができる |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 救急搬送のルート | 敷地から搬送先病院までの経路を2ルート以上確保し、各ルートで冠水しやすい地点を洗い出す。1本でも通れれば搬送できる配置にする。 |
| アンダーパス・掘割 | 大雨時にまず通行止めになる。上の地図の「アンダーパス・冠水しやすい道路」で位置を確認し、搬送・職員参集・物資搬入の迂回路を平時に決める。 |
| 職員の参集 | 公共交通が止まった場合の参集可能人数を、居住地別に事前把握する。近隣採用を増やすほど災害時の体制が強くなる。 |
| 車両の退避 | 送迎車・訪問車を、地上駐車場が冠水する前に高い場所へ移す判断基準(警報・水位・時刻)を決める。 |
| 地域の受入れ | デイサービスの食堂などを福祉避難所として市町村と協定すると、市町村の支援・備蓄の対象になる。トイレ・電源・段差のない出入口を設計に入れる。 |
2026年9月時点の整理。都道府県・市町村の上乗せ制度や募集時期は地域で異なるため、候補地の自治体の最新の要綱で確認する。
| 時期 | 制度・指針 | 内容 |
|---|---|---|
| 2020年〜 | 建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン(国土交通省・経済産業省) | 受変電設備・非常用発電機の高所配置、止水板・防水扉、防水区画、配管貫通部の止水など。新築の設計時から適用できる。 |
| 2021年〜 | 介護施設等の非常災害対策の強化 | 浸水想定区域・土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設は、避難確保計画の作成と訓練が義務。 |
| 2024年4月〜 | 介護事業所の業務継続計画(BCP) | 自然災害・感染症のBCP策定が義務化。未策定は基本報酬の減算対象。 |
| 2026年9月〜 | 国土交通省 水災害調査・対策検討委員会 | 都市型の内水氾濫対策などを検討し、年内を目途に取りまとめ予定。ハザード情報・設計・補助の見直しにつながる可能性。 |
| 今後 | 浸水想定・建築設備の基準 | 内水リスク情報の高度化が焦点。全国一律の床高・発電機の設置階などの新しい数値は未決定のため、最新の想定浸水深+余裕で自主基準を置くのが安全。 |
| 制度 | 対象 | 主な対象経費 | 注意点 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金 | 高齢者施設等 | 非常用自家発電、給水設備、水害対策の改修など | 新築時の単純な上乗せとは限らない。対象メニューと施設種別を確認 | 開く |
| 高齢者施設等の水害対策強化事業 | 高齢者施設等 | 水害対策に係る整備(止水・設備の高所化等) | 年度ごとの募集。都道府県経由の協議が一般的 | — |
| 介護施設等の施設整備補助(都道府県) | 介護保険施設・事業所 | 特養などの新築・整備 | 公募・整備計画・選定が前提。要望調査への回答は補助の確約ではない | — |
| 社会福祉施設等施設整備費補助金 | 障害福祉サービス事業所等 | 施設整備 | 法人種別・サービス・年度の募集要件を確認 | — |
| 医療施設の防災・非常用設備関連補助 | 対象となる病院・診療所等 | 非常用発電・給水など | 事業ごとに補助率・対象が異なる。無床診療所が一律対象ではない | — |
| 社会福祉施設等災害復旧費 | 被災した社会福祉施設等 | 建物・設備の災害復旧 | 新築の事前整備ではなく被災後の復旧が対象 | — |
出典:厚生労働省「介護施設等の整備について」開く、国土交通省「水災害調査・対策検討委員会」開く。補助額・補助率は各年度の要綱で確認が必要。